切原と丸井と桜乃がマンションのおとなりさんパロディ





昨日は二人で飲み会をしていて、途中でカレーを持ってきてくれた竜崎を赤也が無理矢理引っぱり込んで一緒に飲もうと誘って、お酒は強くないからと遠慮したけど赤也には敵わなくて、じゃあ一杯だけ頂きますってちょびっとだけチューハイかなんかを飲んだら顔が真っ赤になって、ぐらぐらになって倒れて、わーって俺達は焦って、苦しそうに唸っている竜崎をベッドへ寝かせた。とりあえずエロいことだけは死ぬ気で我慢したのでしなかったという事だけは言っておこう。しかし成り行きで夜中にエロい話にはなったということも言っておこう。

ここまではまぁ、なんとかなる。ここからが問題で、非常に不思議なんだ。俺達は4時頃、時間的に急激な眠気に襲われる。女子のお泊まり会じゃあるまいし別に特に起きてる理由もなかったのでそのまま眠ってしまった。

正午、目が覚めた。二日酔いで気持ちが悪い、頭が痛い。昨晩のテンションはなかったかのようにフラフラと立ち上がり勝手に薬箱を探す。台所に持って行き二錠の薬と共に水を一気に飲み干した。少しだけ冴えた頭が最初に思い出したのは俺達(というかほとんど赤也)のせいで倒れた竜崎のことだ。床でいびきをかきながら寝ている赤也を踏んづけながら竜崎が寝ている部屋に入ると俺は驚いた。何に驚いたっていうとそんなアッサリいってしまったら面白くないんだけど、普通に竜崎が寝てると思うじゃん。それか目が覚めてぼーっとしてるとか。いや、寝てたんだよ、前者だったんだよ。でも決定的におかしいところがあって、誰かと一緒に寝てるっていう、非常に不可思議な、

「(放送できません)」

俺は自分でもびっくりな声を上げて竜崎に当たらないようにうまく一緒に寝ていた奴を蹴り飛ばしてもう一度蹴り飛ばした。うげっと声を上げてベッドから落ちるやつは俺の良く知る人物でやっぱりもう一度蹴り飛ばした。銀色の髪の生えた頭を掻きながらなんじゃなんじゃと周りを見回して俺と目が合った。

「あぁ、丸井」
「いやあぁ、じゃねーよ何やってんのオマエ」
「寝とった、布団があったかくて」
「そりゃそうだろぃ」
「なんでじゃ」
「赤也でもいたんじゃねーの」
「俺が赤也がいる布団なんかに入るわけないじゃろう気持ち悪い」
「わかってて入ったんならとりあえず死んでくれると嬉しいぜ」

夜中に忍び込んだとしてもリビングに自分たちは寝ているんだから気付くに決まっている。むしろこの男はなにかしていっただろう。さっき俺が赤也を踏ん付けたようにこいつも俺の事を踏んだのは確実だ。「あ、なんか踏んだかの」なんて言いながら当たり前のように寝室まで向かっていくんだ。

「さすがに女が寝とるとは思わんくて驚いたぜよ」
「驚いてそのまま潜り込んでいくお前の精神を疑っちまう」
「だってどうせ竜崎じゃろ?」
「は?どういう…」
「赤也と電話とかメールしよるといっつもいっつも煩いんじゃよ、なんかあると竜崎がー竜崎のーって」

本当じゃよ、といって携帯を開く。
メールボックスを見ると長々と竜崎との出来事が綴られていメールが何件もあった。え、あいつ一緒に出かけたりしてんの。なにそれ抜け駆けとかふざけんなよ。ってそんな事は今は関係無くて。

「じゃあお前竜崎のイメージ悪いのかよ」
「プリッ、お前らみたいなアホに付き纏われて嫌がらない女なんてそう探してもいないぜよ」
「つまり?」
「気に入った」

そう笑って言った後何事もなかったかのように仁王はいそいそとベッドに上がる。そして今度はがっちり抱きしめて三秒で夢の中へと戻って行った。俺は40%の二日酔いと50%の苛立ちと10%の疲れを感じパタンとその場に倒れた。掠れる意識の中で考えた。次もしも起きた時にはこれだけはやりとげよう。切原赤也、フルボッコの刑に処す。
どうしてこうなった



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