カーテンを開くと窓越しの夜空に光が一筋走った。そんな光に見惚れている暇もなく続けざまに地を揺らすような鈍く激しい音を立てて雷鳴が轟く。ああ近そうだ、どこか停電してたりするのだろうか。頼むからうちの家には落ちないでほしい。そう思いながら俺のベッドで小さく屈んでそこあっただろうタオルケットで頭を覆い隠して怯えている竜崎の方を向く。

「こ、怖い」
「こんなのが?別に撃たれる訳じゃないんだし大丈夫でしょ」
「それでも音が…」

不安げな声でぼそぼそと話す竜崎をよそに、怯える人々をおちょくるように再び稲光が走る。外から入り込む光でただでさえ青白くなった顔を更に蒼白させて目と耳をぎゅっと閉じる、しかし塞いでも塞ぎきれない音にまた情けない声を上げた。ベッドに上がって竜崎の体を抱きしめるとすかさず返してきて、こういうときだけは積極的だとため息をつく。ふるふると震える体を宥めるようにさすってやると少し落ち着いたようだ。

「リョーマくん、電気どうしてつけないの」
「…だって」

部屋も外もこんなに暗いのに、と竜崎のブラウンの瞳がじっとこっちを見つめる。不思議そうに聞いてくるので答えとして押し倒してやると焦ってじたばたしながら起き上がろうとしたので、肩を抑えつけてやると諦めて大人しくなった。その代わりに出てくる涙を舐めると恥ずかしそうに顔を赤くして身を縮こませた。

「じゃあ電気つける?」
「…っ」

顔を横にブンブン振ってつけないでと言う。あまりに嫌がるので反発心としてつけてやろうかなと思ったけど、流石に可哀想だからやめた。雷怖かったら抱きついていいよ、せっかくの好意だというのに竜崎は怖くないもんなんて見栄を張ってみせた。声震えてるのに、まあそれでいいなら別にいいけど。いっそ雷なんか忘れてしまうくらいに、そう思いながら頬にキスしてやった。
ストリーマ



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