切原と丸井と桜乃がマンションのおとなりさんパロディ





ピピピピピピピピンポーン!


突然のインターホンの連打の嵐に俺は椅子から落ちそうになった。なんだよこの朝っぱらから!うるせぇよ!と怒鳴りながら扉を開けようと思ったけど、もしかしたら扉の向こうにはヤバい感じのかほりがしちゃうオッサンがいたらマズいなと考え、一端冷静になった。よし、一回扉の穴から確認してからにしよう、そうだ冷静になれ。…あぁ見ない方が良かった。誰が居たって?いや正直に言うとアレなかほりのするオッサンよりタチの悪い人が立っていたよ。居留守を使おうと思ったが、ドアノブがガタガタと音を立てる。ひいっと声を上げそうになった。このままではドアを破壊されると悟ったのでそんな事をされてしまう前に開けてやった。そこに立っていたのはまあ見覚えのある人物で、

「やっぱりいたんだね、ブン太」

にこーっと笑ってるけどその笑みからは恐ろしさしか感じられない。

「幸村…何か用?」

そう聞くと用がなかったら来ちゃいけないの?なんていうけど正直来ないでほしい。心の中で思ったはずなのに幸村の目が細まった。え、顔に出てた!?それとも心読まれた!?なにこいつホント怖い!もう動悸が止まらない。

「まぁ…正確に言うと、用があるのはお前じゃないんだけどね」

俺じゃないならなんで俺のところにきたんだ!と色々思うところはあるが幸村にそんなこと言ったって勝てるはずがない。じゃあ赤也?と聞くとううん、と首を横に振った。

「ブン太の、隣に住んでる人」

は?と間抜けな声が出た。隣って言った?隣?隣って竜崎のこと?なんで?頭にクエスチョンマークを浮かべながら竜崎の部屋を指さすと幸村はうんうんと頷く。

「え、知り合いなの?」

俺がそう聞いた途端、タイミングを図ったかのように竜崎が部屋から出てきた。ちょっと急いでいるようだったが、俺の姿を見て微笑みながらおはようございますと笑った。さすが礼儀正しい。見習うべきか。と感心していると、俺の前にいた幸村を見て驚いたように目を丸くした。

「…精市さん?」

え、名前呼び?どういう関係?聞きたいことが山ほどあったけど、竜崎は今からどうやらバイトらしい。また後でお話ししたいですと言いながら笑った。そしてぺこりと一礼して走って階段を駆け下りていった。

「行っちゃった」
「エ、どういう関係?」

残念がっている幸村に訪ねる。文面じゃわからないと思うけど正直俺の顔は今物凄い事になっている。そりゃあそうだ、必死なんだ。何がってそりゃあ竜崎が幸村の物だったら俺はもうどうしようもないだろうそうだろう!

「隣の家に住んでたんだよ」
「となり…え、マジ!?」
「うん、仲良くしてたんだけど…突然一人暮らし始めるって引っ越して行っちゃったんだよね。せっかくだから会いに来たんだ。まさかブン太と赤也の間に挟まれてるとは夢にも思わなかったけど」

とりあえずいろいろ突っ込む所はあるかもしれないが、安心した。まずは。中が良いって言うだけで特になんか立ち入るのは果てしなく危険、というような関係というわけではなさそうだ。一人でその安心感をうんうんと頷いて噛み締めた。

「桜乃が帰ってくるまでお邪魔しててもいい?」
「おう」

最初のビクつきなんてなかったことにできるような軽快な返事が出る。玄関に招き入れるとドアを閉めようとする幸村がなにかを呟いた。

「…」
「ん?どした?」
「桜乃に手を出したりしてないよね?」
「…はい?」
「あの娘は俺のものだよ?本当なら他の男と喋らせるのでも嫌なのに、よりによってお前らだなんて、どうしようもなく不運だな」
「ゆ、幸村くん?」
「赤也も連れてきてくれるかな?二人によーく言っておかないといけないことが沢山あるんだ」

急にこの部屋がブリザード吹き荒れる極寒の地へとなり果てたのはきっと気のせいじゃない。赤也が逃げ出す前に連れてこなければ、俺一人じゃとてもじゃないが耐えられない。早く竜崎帰ってきてくれ頼むから。というか何故こんなに障害が多いんだお前ら皆して人の恋路を邪魔して楽しいかちくしょう。あ、そうかこいつらも竜崎の事好きなのかもうやってらんねえよ早く竜崎帰ってきてくれよ、アレさっきも言ったなこれ。
愛する or die



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