桜乃が天使パロ





真っ白で袖も飾りも何もないワンピースを背中からたくし上げた。背からぽこりと浮き出た箇所には小さな羽根が生えている。その付け根のところに唇を寄せてちゅ、と音を立ててキスをする。桜乃はぴくりと肩を震わせた。その反応を見てくすりと笑い、もう一度口付けると微かに甘い声を漏らす。

「っあ」
「気持ちいい?」

桜乃の耳元でそう囁くとと、後ろからでもわかる程に顔を赤くしてぶんぶんと首を横に振った。その反応も可愛いけれどちょっとつまらない。唇を尖らせて子供のようにそう呟くと、恥ずかしそうにこちらへ振り向いた。その拍子に噛み付くようにキスをしてやる。彼女はとても、砂糖のように甘い。

「ん、ふ」

苦しそうなので名残惜しく感じながらも一端放してやると、足りなくなった酸素を取り込むようにぷはっと息をした。何回やっても息を止める彼女の姿に幸村はくすくすと笑みを零した。

「続き、する?」
「あ、う…」

視線を泳がせながら口ごもる彼女を抱きよせて、今度は正面から背中へと手を差し込んでやる。つう、と人差し指で背骨の辺りを撫でるように伝わせる。

「ひゃ、あっ」

くすぐったさから身を捩らせる。ぞわぞわとするその感覚から逃れようにも腰を片方の腕でしっかり掴まれているため動けない。止まらない指の動きにぴくぴくと脚を揺らす。しかし快感というにはあまりに小さく、もどかしさが増した。

「こんなんじゃ全然足りないでしょ?」

にこにこ笑いながら聞いてくる。なんていじわるな人だ。というよりどうして天使がこんなことをしているのだろうと桜乃は内心思った。しかし考えたって仕方ない、自分は彼を幸せにするために現れた。そんな彼が私を望むなら、目をぎゅっと閉じてやけくそ気味に頷くと閉じた瞼の向こうに嬉しそうに笑う彼が見えた気がして、次の瞬間には唇を塞がれていた。

「俺だけの、天使」
In my room



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