病んでる

あの廃墟行こうぜ、久々に。


俺は、男鹿を古いビルへ誘った。
おー、となんとも素っ気ない返事をする男鹿。


ごめんな、男鹿。









大好きなんだよ。





俺は、バックに隠し持っていたナイフを取り出し、前にいる男鹿に刺した。

最初、深く刺さらなかった。

男鹿の鍛えられた身体は、堅く、強い…

ぐっと力を入れて、体全体を使って男鹿を倒れさせた。


な、古市…!

驚いた顔の男鹿。
俺は、今、顔が固まって動かない。
男鹿を殺すことばかり考えている。


仰向けの男鹿の身体に跨って、抜いたナイフで腹を刺した。

男鹿はまだ、大丈夫、
男鹿にとっては、軽症だよ…

なんで、男鹿は、止められるはずなのに、止めないんだ。

振り下ろす手を掴むことだって簡単だし、
起き上がって、逆襲することも可能じゃんか。


なんでだよ。


悔しい思いでいっぱいになってきた。


くそ、くそ、くそくそくそくそ!!!!


ザクと刺したり、抜いたりを繰り返す。

どんどん男鹿は赤い血で染められて、死んでるんじゃないかと思うほど、動かない。


だが、顔はしっかりと俺の方をみている。

やめろよ、そんな優しい目で俺を見つめるな、辛い、辛いよ、男鹿ぁ。



涙が出てくる。

しまいには、嗚咽。


殺してるのは俺。
今更後悔…いや、おさまらないころしたい衝動。

男鹿は俺のものに。




古…市



な、なんだよ、男鹿…

死にかけてるのに、声を出した。
しゃべれるのかよ。


お、まえに、、殺されても、いい、とか、結構、思って、た…


男鹿、男鹿…

止まる俺の手が。

止まりそうな男鹿の心臓。

早く早く動いている俺の心臓。


大好き、だ、ふる、い


目さえも閉じてしまった。




くっそ…!!!!!!!



病院と警察へ電話した。

警察へ行き、俺は何年外へ出られないんだろう、男鹿に会えないんだろう。

男鹿は、生きれるかな。

死んだかな。




大好きなんだよ、だから、ころしたかった。


男鹿が俺を思ってくれてるのも分かってたけど、やっぱり、俺は愛が足りなかった。
他の奴らに嫉妬もしてた。


ごめんな、男鹿。



大好きだよ。

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