好きだから

男鹿が俺にキスをした

今までで一番驚いた。
あの男鹿が俺に

このキスというのは、ただただ唇を押さえつけるだけ。
なんとも下手くそなキスだ。

女の子と何度かキスをした俺。
正直、一番ドキドキしている。驚いた所為もあるけど。

自分からしたことないし。
されてるという感覚はなんか微妙だなと落ち着いてきて思った。

「男鹿、なんだよ」

男鹿は、いつもとは違う、少し照れながら
「好きだからだよ…」
と言った。

……男鹿が
好き…?

今まで友達だったやつ。
殴ったり殴られたり、ほんとに仲のいいただの友達。
それを超えるなら親友。

それだけの関係だったはずなのにな…

男鹿…実は俺も好きだよ
とか言いたくない。
好きだけど。

照れ臭いし、それ以上に関係が崩壊する。

男鹿はまた俺にキスをしようとする。

俺は拒んだ。

「やめろ、男鹿」

「やだよ、古市」

無理やりキスをされた。

幻滅だよな…でも、愛しいから、好きだから、こんな無理やりでもドキドキしてしまう…

「やっぱ、男鹿、俺は…」

やばい、顔が熱い。多分赤くなってる。心臓がきついし。
恋かなぁ

男鹿は察したような顔をして、俺を抱きしめた。「好き」なんて言わなくても男鹿は多分分かってる。
好きだから。

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