鷹宮

鷹宮に首を絞められた。


高2になって、俺がどんどん勢力をあげていってた時期…
男鹿も色々あるらしくて魔界とここを行ったり来たり自分の身は自分で守る、当たり前のようで最近やっと慣れてきた生活
男鹿に任せっぱなしな点もあって悪かったなとしみじみ思う自分の弱いところ。

まぁ、そんな心情は置いといてだ。

なんで首を絞められているのかわからない。

鷹宮には心臓…魂をとられ、本当に死ぬのかと思った
鷹宮はさみしいやつだってことは噂できいた。男鹿も鷹宮を認めて昔の自分と同じような周りに親しくしてくれる他人がいなくて親近感のようなものがあるらしい、ということを男鹿に聞いたんだが

鷹宮に喧嘩を売った覚えはない。

いくら悪魔と契約した俺でも命を危険にさらされた男に喧嘩を売ったりなんかしない。

なぜ、鷹宮は俺の首を絞め、

そんな悲しい瞳で見つめてくるんだ。


「ひグッ…」

強く締められて声なのか息なのかわからない謎の音が俺の喉から出てきた。

声を出そうにも出せないし、どんどん苦しくなって息をするのが困難だ。
無言で首を絞めてる鷹宮は何を思って絞めてるんだ。
わからない。

本当に殺す気なのかもしれない

躊躇なく…

俺を…


意識が遠のきそうになった時、鷹宮は俺の首から手を離した。

ゲホゴホッ

っと咳が止まらなかった、息をしようと必死にヒィヒィいってる俺を鷹宮は上から見つめていた…

「…古市っつーんだろ?」

声は出せなかったので首を振った、俺は古市だと。

「お前のこと気に入ったんだよだからこれからお前にたくさん愛を注いでやるよ」

なにが気に入ってるんだ、首を絞めといてよく言うよ。意味がわからない。
鷹宮はきっと頭がおかしい。ここには正常なやつなんていないけど。

愛を注ぐ?注がれたことがないお前が…
俺の怒りがじわじわ染み込んできたようだ。
酷い言葉が出てくる。
黒い黒い影に染められそうだ、鷹宮の目は呪いの目だ。
俺の感情を黒くしていく。

鷹宮のせいじゃない…いや、鷹宮だ

理屈なんてわからない

あいつが…



「男鹿の大切なものだもんな、俺も大事にしなきゃ男鹿に殺されちゃうかもな…」

そういった鷹宮は俺の首についた痕をなぞった。
ぞわぞわ

気持ちが悪かった、汚い言葉がばかりでてくる、口には出せないけど、これは…


「…鷹宮……愛なんていらない」

どうせ、お前の自己満だろ…

そんなんだから愛されない…


鷹宮の目は俺を睨む、殺人をしそうな目で睨む…
きっと俺も同じように…





鷹宮と俺は気が合わない。


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