なるほど彼が惚れる訳だ


「待ちやがれガキ共!」

「待たねぇよー!」

「きゃー!」



俺の警棒を振り回しながら廊下を走る恭平と加奈を追いかける
角を曲がったところで足音がしなくなったと思ったら、奴らが名前の腰に抱きついていた



「恭平、加奈、どうしたの?」

「名前姉ちゃん見て!」

「見てー!」

「これ…あ、翔太兄、おかえり」



名前ははしゃぐガキ共と息切れしてる俺を交互に見ると、しゃがんで恭平の頭に手を乗せた



「恭平、これお姉ちゃんに貸して?」

「えー!」

「明日かき氷やってあげるから、ね?」

「「本当に?!」」

「うん!だから向こうでゲームやっておいで」

「分かった!行こう加奈!」

「うん!」



名前は走り去っていく2人を見送ってから俺に警棒を差し出す
そして柔らかく笑って俺の前髪を整えた



「はい、もう取られちゃダメだよ?」

「お、おう」

「じゃあ私、万里子おばさんのお手伝いがあるから行くね」



ばいばい、と小さく手を振って歩きだす名前
襖に手をかけたところで あ、 と呟くと、振り向いて満面の笑みを俺に向けた



「翔太兄、お仕事お疲れ様!」

「っ!」



なるほど彼が惚れる訳だ

(佳主馬が羨まし過ぎるぜ!)

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