最高の殺し文句だね


「こんにちは、万里子おばさん」

「あらあら佳主馬、早かったわね」

「予定より1本早い電車に乗れたんだ」

「聖美さんと一緒じゃないの?」

「母さんは仕事が終わってから来るから多分明日になるってさ」

「そうなの、聖美さんも大変ねぇ」

「おばさん、名前は?」



玄関に名前のサンダルが無いことに気付いておばさんに尋ねると、頬に手を添えて困ったように笑った



「お遣いを頼んじゃったの、そろそろ帰ってくると思うんだけど…あ、来たかしら」



遠くから聞こえてくるエンジンの音に振り向くと、理一おじさんのバイクが目の前で止まった



「…佳主馬?」



おじさんの後ろから顔を覗かせた名前は目を丸くして僕を見る
そしてヘルメットをおじさんに押しつけると僕が口を開くより先にぎゅっと抱きついてきた



「佳主馬!会いたかった!」



最高の殺し文句だね

(僕も会いたかった、と彼女の額にキスをひとつ)

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