投票の時間

2日目の夜、大部屋で磯貝君を中心に始まった気になる女子ランキング
今まで何度か開催されたことがあったけど、今日は珍しく結果がいつもとは違った



「お、1位が名前ちゃんに変わったか」

「まぁ嫌いな奴いないわなー」

「可愛くて賢くて優しくて、それでいて近寄り難くないってすごいポイント高いよな」

「で?カルマをだしに上手く班に引き込んだ杉野はどーだったん?」

「それがさぁ、色々トラブルあってじっくり話すタイミングが少なかったわ」

「あー、なんか大変だったらしいな」



杉野が大きなため息をついたところで、飲み物を買いに行っていたカルマ君が戻ってくる
そしてみんなの中心にある投票結果を見て ふーん と呟いた



「カルマ、良いとこ来た」

「お前クラスで気になる娘いる?」

「ばーか、俺はずっと名前一筋なの」

「うわ、出たよバカップル」

「何とでも言えよ、ただこの名前に投票した7人はちょっと1人ずつ面貸してくれる?」

「なっ、何言ってるんだよカルマ!」

「まあまあ、皆、この投票結果は男子の秘密な。知られたくない奴が大半だろうし、女子や先生に絶対に…」



そこで磯貝君が言葉を切ったので、僕らも不思議に思ってその視線を辿る
するとそこにいたのは窓の外に貼りついて結果をメモしている殺せんせーだった



「メモって逃げやがった!殺せ!」



みんなが銃やナイフを持って殺せんせーの後を追う
僕も仕方なく銃を取り出すと、カルマ君は興味無さそうにみんなとは違う方向に行こうとした



「カルマ君、どこ行くの?」

「名前のところ、別に俺は結果知られても困らないしね」

「はは、そうだね」

「じゃあ渚くん、また後で」



ひらひらと手を振ってカルマ君は女子部屋の方へ歩いていく
そんな彼の姿を見送ってから、僕はみんなの後を追って駆け出した



投票の時間
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