編入生の時間
「ようカルマ!」
「おはよう、カルマ君」
翌朝、いつも通り登校していると途中で杉野と渚くんに会った
「なあ、苗字さんどうだった?」
「やっぱり、今日からE組だって。暗殺のこととか色々説明しなきゃいけないからって朝早く烏間先生の部下が車で連れてった」
「じゃあやっぱり苗字さんも今日からクラスメイトか!教室が一気に華やぐな!」
「でも、どうして名前ちゃんE組に落ちてきたの?」
「内緒」
「おい、何だよ気になるだろ!なあ渚!」
「う、うーん、それより気になることが…」
「ん?なあに渚くん」
「…カルマくん、何か血のにおいがするけど怪我でもしてるの…?」
「…それも内緒」
思い出されるのは泣いて許しを請うどっかの誰かさん
視界の端で杉野と渚くんが怯えた表情をしてたけど、俺は気にすることなく学校を目指した
***
「では、自己紹介を」
「苗字名前です、皆さんよろしくお願いします」
名前が頭を下げると教室中から拍手喝采が起きる
もともと友達は多い方だし、少なくとも人に嫌われるような子では絶対にないのでこの分だとすぐにクラスにも馴染むだろう
周りと二言三言会話を交わしながら俺の隣の席に座った名前は、慣れない教室を見渡しては目を輝かせたり、不思議そうな顔をしたりしていた
「本校舎に比べたらかなり過ごしにくいでしょ」
「ううん、私木の机大好きなの。本校舎の机はつるつるして書きにくくて…」
「そう、名前が気に入ったなら良かった」
「ちょっとカルマ!あんた家で苗字さんのこと一人占め出来るんだから今は私達に貸しなさいよ!」
「そうそう!苗字さん、こっちで一緒にお話ししよ!」
「う、うん!じゃあカルマくん、行ってくるね!」
中村と倉橋に呼ばれて、名前は嬉しそうに女子の輪の中に入って笑っている
…ま、今日ぐらいは貸してやってもいっか
「こらーっ!もうすぐ授業ですよ!皆さん自分の席に戻りなさい!」
殺せんせーの注意を無視して、俺は名前の笑い声を聞きながら夢の世界に旅立つことにした
編入生の時間
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