調査の時間

「おはよう渚くん、カエデちゃん」

「おはよう名前ちゃん」

「わあ、名前髪型可愛い!どうしたの?」

「ありがとう、朝少し時間があったからカルマくんにやってもらったんだ」

「ええええ、カルマ君そんな事出来るの?!」

「昔母さんがやってたの見よう見まねでやってみたら出来た」

「いいなぁ、私もやってほしいな」

「だーめ、俺は名前専用なの」

「カエデちゃん、私で良かったらやろうか?」

「うん!嬉しい!」



カルマ君と名前ちゃん、相変わらず仲良しだな
朝から微笑ましい気持ちになると不意にガッと肩を組まれた



「なーぎさ!」

「中村さん!びっくりした…!」

「ねえ、渚ってカルマとも名前ちゃんとも結構仲良いよね?」

「え?まあ1年の時に同じクラスだったから…」

「どうやったらあの2人みたいなカップルになれると思う?」

「どうやってって?」

「私も何度か彼氏が出来た事はあるけど全然続かないんだよね、だからコツがあれば是非教えてもらいたくてさ」

「それなら本人達に聞けば良いんじゃない?」

「じゃあ私は名前ちゃんに聞いてみるから渚はカルマに聞いてみて!」

「え!何で僕まで?!」

「私より渚が聞いた方が絶対良いって!じゃ、昼休みまでに頼んだよ!」

「ちょっと、中村さん!」



颯爽と去って行く中村さんにがっくりと肩を落とす
すっぽかしたら怒るだろうな…
仕方なくいつものメモ帳を取り出して僕もカルマ君の元へ向かった



***



「渚!聞いてみてくれた?」

「うん、一応…」



昼休み、中村さんに呼び出されて結果を報告する
中村さんも名前ちゃんに上手く聞けたみたいだ



「えっと…“名前と長く付き合ってくためのコツ?そんなの無いよ、だって俺達ガキの頃から一生一緒にいるって約束してるんだもん。だから一緒にいるのが当たり前って言うか…まあひとつアドバイスするなら、生半可な気持ちや覚悟じゃダメって事だよね。どんな手を使ってでも彼女を傍に置いておくこと、これが出来ないようじゃ続かないよ”…だって」

「名前ちゃんはね…“どうやったら長く続くカップルになるか?うーん…例えば、莉桜ちゃんはご両親とずっと一緒にいるために何かを頑張ろう!って思ったことないでしょ?それと同じで、カルマくんがいて当たり前っていう生活をしてきたから一緒にいるための方法って考えた事もないの、ごめんね。上手く答えられないけど、家族みたいに自然体で付き合える人を探したらいいんじゃないかなぁ?”…って」

「…どう?参考になった?」

「…ぜーんぜん、あの2人はレベルが高過ぎてついていけないわ」

「あはは、仕方ないよ」

「よし!じゃあ今度は前原にでも聞くか!行くよ渚!」

「ええええ!まだやるの?!」



ノリノリな中村さんに続いて仕方なく走りだす
結局今日1日ずっと振り回された僕はもう二度と中村さんと恋愛の話をしないと心に誓った



調査の時間
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