終業の時間・1学期
期末の後は、ほどなく一学期の終業式
けど僕等にはやるべき事が残っている
「おお、やっと来たぜ生徒会長サマがよ」
寺坂君と磯貝君を筆頭に今回の賭けの要求を再確認しに行く
だけど浅野君は僕等には目もくれず名前ちゃんと向き合った
「名前さん」
「…久し振りだね、学秀君」
「今回は見事に君にやられたよ。僕は楽しかった、同じクラス、隣の席で君と成績を競い合った日々が」
「…」
「戻ってきてくれないか。総合1位の実力があれば誰も文句は言わないさ」
「…ごめんなさい、私、今のクラスが大好きなの」
「そうか、残念だ…賭けの件は心配しなくて良い、君は僕に勝ったんだから。でも、次は負けないよ」
「次も、私が勝つよ」
「はっはっは!そう、僕は君のその強い目が好きだ。じゃあ式の準備があるからこれで、また夏休み明けに会おう」
そう言い残して、浅野君は僕等に背を向けて歩いて行ってしまう
とにかくA組がちゃんと要求を飲んでくれることが確認出来たので、僕等も憂鬱な式を乗り切るために体育館に向かった
***
「悪い見本」がトップ争いをしちゃったせいでいつものE組いじりもウケが悪く、初めて前を向いて立っていられた終業式
そして校舎に戻ってくると、恒例の過剰なしおりが配られた
「これより夏休みに入るわけですが、皆さんにはメインイベントがありますねぇ」
「賭けで奪ったコレのことね」
「椚ヶ丘中学校特別夏期講習、沖縄離島リゾート2泊3日!」
成績優秀クラスに与えられる学校からの特典
まさか僕等がこの特典を貰える日が来るなんて思ってもみなかった
「親御さんに見せる通知表は先ほど渡しましたが、これは標的から暗殺者への通知表です」
その言葉と共に教室いっぱいに舞い上がった二重丸
標的からのこの3ヶ月の嬉しい評価だ
「夏休みも沢山遊び沢山学び、そして沢山殺しましょう!暗殺教室基礎の1学期、これにて終業!」
終業の時間・1学期
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