寺坂の時間

「寺坂君の様子が変?」



お昼休み、渚くんにそう切り出されてお弁当を食べる手を止める



「うーん…元々勉強も暗殺も積極的な方じゃなかったけど、最近特にイラ立ってるっていうか…」

「確かに、言われてみればそうかも。せっかく同じクラスなんだからみんなで仲良く出来るといいのにね」

「うん、何も起こらなきゃいいんだけど…」

「それにしても殺せんせー、さっきからずっと泣いてるけどどうしたんですか?」

「いいえ、鼻なので涙じゃなくて鼻水です」

「え、鼻水?」

「どうも昨日から体の調子が少し変です、夏カゼですかねぇ…」



そんななか、今日はまだ登校してなかった寺坂君が教室に入ってくる
その姿を見た殺せんせーは鼻水を撒き散らしながら喜んでいた



「おお寺坂君!今日は登校しないのかと心配でした!悩みがあるなら後で聞かせてもらえませんか?」

「おいタコ、そろそろ本気でぶっ殺してやんよ。放課後プールへ来い、弱点なんだってな水が」

「寺坂君…」

「てめーらも全員手伝え!俺がこいつを水ん中に叩き落としてやるからよ!」



それだけ言うと、寺坂君はまた教室を出て行ってしまう
彼は「計画」に自信を持っている様子だったけど「自分」に自信を持っているようには見えなくて…
ちぐはぐさに何だか胸騒ぎがした



***



「よーしそうだ!そんな感じでプール全体に散らばっとけ!」



放課後、カルマくんは来なかったけど私はナイフを片手にメグちゃん達とプールの中で待機していた
寺坂君が殺せんせーに銃を向けるのを固唾をのんで見守る



「ずっとテメーが嫌いだったよ、消えて欲しくてしょうがなかった」

「ええ知ってます、暗殺の後でゆっくり2人で話しましょう」



殺せんせーのナメた態度に、寺坂君は銃の引き金を引く
でもプールに響いたのは銃声ではなく爆音で、
クラスメイトが次々と流されていくなか、私は飛んできた破片に足を挟まれて水中に引き摺り込まれてしまった



寺坂の時間
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