買い物の時間
「カルマくん、起きて」
とある休日
勉強に暗殺にと何だかんだ疲れが残ってるみたいで、名前の声に目を開けた時は既に太陽が西に傾いていた
「…ん、おはよ、名前」
「おはようカルマくん」
「ごめんね、結構寝ちゃった」
「ううん、ゆっくり休めて良かった」
部屋を見渡せば掃除洗濯が全て終わっていて、本当に良く出来た彼女だと思う
ちゅ、と頬にキスをして体を起こすと名前は申し訳なさそうに眉を下げた
「起こしちゃってごめんね、お買い物に行きたくて…」
「買い物?名前も疲れてるだろうし夕飯は出前で良いよ」
「ありがとう、でもお米切らしたの忘れてて明日のお弁当作れないの」
「あー、そう言えば米無かったか…よし、着替えるからちょっと待ってて」
名前には1人で外に出掛けることを禁止している
外は危ないし、ナンパでもされたら俺はその男を殺しかねない
だから例え歩いて5分の商店街だろうが通学だろうが、名前は必ず俺から許可を取る
過保護だって、束縛だって周りの奴らは言うけど当の名前が全く嫌がってないんだからそれで良いんだ
ずっと俺の目が届く範囲にいれば俺が守ってやれるから
そう、ずっと
「お待たせ、行こっか」
「うん!」
名前の指に自分のそれを絡めて強く握り締める
一生変わることがないだろうこの光景に、思わず口角が上がった
買い物の時間
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