好奇心の時間
「名前ちゃんとカルマっていつから付き合ってるの?」
「え?」
「あ、それ私も知りたーい!」
今日買ったお土産や持ち寄ったお菓子を囲んでお話しをしていると、今まで聞き役だった私にも遂に話題が回ってきた
みんなの前で私とカルマくんの話をするなんて、恥ずかし過ぎる…!
そう思って視線をあちこち彷徨わせていると、不意にイリーナ先生と目が合った
「そ、それよりイリーナ先生の話を聞こうよ!」
「イリーナ?誰それ?」
「なめくさりおってガキ共!」
「なんだ、ビッチ先生のことか!」
「そう言えばビッチ先生って本名じゃなかったね」
「名前、アンタだけよ、このクラスで私の味方は…!」
ぎゅっと涙目のイリーナ先生に抱き締められる
すると周りの女の子達から大ブーイングが起こった
「ちょっとビッチ先生、名前ちゃんを離してよ!」
「名前ちゃんにビッチが移ったらどうするの!」
「アンタ達、本当いつか殺すわよ!」
「ふふ、ね、イリーナ先生、先生のお話聞かせて?」
「あ、じゃあビッチ先生がオトしてきた男の話聞かせてよ」
「興味ある!」
みんながイリーナ先生の周りに集まりだすと、先生も気を良くしたのか窓際に座って話し始める
みんなの興味が先生に移ったのを見てほっとしながら私もカエデちゃんの隣に移動すると、イリーナ先生がかっと目を見開いて私のすぐ近くを指差した
「おいそこォ!」
「わ、殺せんせー!気付かなかった!」
「さり気なく紛れ込むな女の園に!」
「いいじゃないですか、私もその色恋の話聞きたいですよ」
「そう言う殺せんせーはどうなのよ、自分のプライベートはちっとも見せないくせに」
莉桜ちゃんの一言で、殺せんせーは女の子全員から質問攻めにあう
最初はおろおろしていたせんせーも遂に耐えきれなくなったのか、逃げ出してしまったところをイリーナ先生の号令に合わせて結局暗殺が始まってしまった
まだ暗殺に慣れていないせいで弾の装填に戸惑ってなかなか後を追えずにいると、閉まっていたはずの襖が静かに開く
「やっほー名前」
「カルマくん!どうしたの?」
「部屋の奴らが全員ナイフと銃を片手に出て行っちゃったから」
「女の子達もさっき殺せんせーを追いかけてみんな行っちゃった」
「そっか、じゃあ2人っきりだ」
そう言うとカルマくんは私を後ろから抱き締める
お腹に回された手に自分の手を重ねるとカルマくんが笑った気配がした
好奇心の時間
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