愛を伝えて

玄関、廊下、客間に花を飾る。 
 
 
「流石ですね!むさ苦しい場所が一気に華やかになりましたよ」 
   
『ふふ 喜んでもらえて私も嬉しいです。あの、残りは近藤さんのお部屋に如何ですか?』 
 
「あぁ!是非、お願いします!今、花瓶を持って来ます」 
 
 
ナマエを自室へと案内する。 
 
 
花瓶に花を生けるナマエをうっとりしながら眺めてしまう。 
 
 
『あの…。何か恥ずかしいんで、こっちを見ないで下さい』   
 
「すみません!余りにもナマエさんが綺麗で……」 
   
『えっ』  
 
 
2人とも顔が赤くなった。 
 
 
「あっ、お茶!お茶を持ってきます」 
 
 
近藤は立ち上がり急いで部屋から出て行った。 
 
 
近藤がいなくなった 後も心臓の音がドクドク体に響く。 
 
 
切った茎を捨てようとするとゴミ箱に捨ててあった一枚の紙が目に入る。 
 
 
 
そこには【好きです】と書かれてあった。  
 
 
―近藤さん。好きな人いるんだ。―  
 
 
「お待たせしました!  あっ!それは!」 
『ご、ごめんなさい!つい目に入っちゃって。私…失礼します』 
 
 
立ち去ろうとするナマエの手を掴んだ。
 
 
「待って下さい!」 
 
 
近藤は机の引き出しから大きい紙を取り出した。
 
 
それには折り紙をちぎり絵としてチューリップを描いていた。 
 
 
「本当は花を贈りたかったけど…。下手なりに作ってみました。一応、チューリップです!花言葉は…」
 
 
『愛の告白……』

 
 
「そうです。俺、ナマエさんの事が好きです!」 
 
 
ナマエは、ゆっくりと近藤の手を握る。 
 
 
『こんなにゴツゴツした手なのに…ちぎり絵って。クスッ んもぅ、大好きです』 


ナマエは近藤に抱きつくと、ビックリした近藤は開いた口が塞がらない。 
   
 
「えっ!?大好きって!?万事屋じゃなくて?」 
 
『だから、銀時とは飲み友達ですって!』 
   
「でも車に乗る前にキスを!!」 
 
『キス? あぁ、キスじゃありませんよ!前髪に葉っぱが付いてたみたいで取ってくれたんです!キャッ』 
 

それを聞いた近藤は力が抜けて座り込んでしまった。 
 
 
『大丈夫ですか?』 
 

座り込んでも手を握ったままのナマエを引き寄せ優しく抱き締める。
 
 
 
そして、ナマエの耳元で“愛してる”と囁いた。 
 
 
 
 
 
 
 
 
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