言葉は時に無力だから


ナマエは歩いて職場まで向かっていると聞き覚えのあるバイクの音がした。 
 

 
「乗れよ!」 
 
 

『機嫌が悪い人に送ってもらいたくない』 
 
 

すると銀時はバイクを停めてナマエにヘルメットを被せる。
 
 

「いいから。乗れ」 
 


ぶっきらぼうな言い方にイラっときたがナマエは渋々後ろへ乗る。
 
 
 
「あぁー!行かせたくねーな!なんで夜勤なんだよ」 

 
 
『え?何か言った?』 
 


バイクの音で銀時が何を言ったのかわからなかく聞き返すが何も言わない。 
 
 
   
職場へ着くとヘルメットを返す。 
 
 

『ありがとね』 
 

 
すると私の手を掴みいきなりキスをしてきた。 
 
 

『銀ッ!』 
 

 
もう一度、唇が触れる。 
 

 
「朝…。迎えに来っから!頑張れよ。ハァ……せっかくゆっくり出来ると思ったのに夜勤とか…」



『銀時。もしかして夜勤が気に入らなくて機嫌悪かったの?』 
 

 
「さて、帰ったらカレー食お」  
 

 
少し緩んだ顔をした銀時はエンジンをかけて万事屋へ帰って行った。 
 
 
 
銀時ったら。 
明日帰ったら美味しい玉子焼き作ってあげよう。 
銀時好みの激甘でね… 
 
 
 
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