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「らいぞー君、俺は君を見るたびに嫉妬で思わず白目になってしまいそうです」

「そう、僕は名前と三郎が一緒にいる所を見るだけで夏の熱帯夜に耳元で蚊が飛ぶくらいイラッとするよ」

「そ……!それは、さぶろー君ラブ的な意味で…?」

「まさか。ただの純粋な、」

「ええ!?だったらもしかして目当ては俺!?
駄目だよらいぞー君俺には将来を約束した恋人が…!」

「人の話を聞こうか。
君達二人が揃うと鬱陶しいことこの上ないからだよ」

「痛いらいぞー君痛いです、アイアンクローは止めて。
きっとらいぞー君は素手で林檎も余裕だね。
じゃなくて、どこが?」

「名前の頭だと丁度大きい胡桃くらいの硬さかな?
よーし僕頑張っちゃうぞー。
どこがって全てが」

「あだだだだ!いやああーらめえええ!!」

「本当に毎日毎日、同室の僕の身にもなってくれる?
大体なんで名前は組なの、そこは三郎への愛とやらで根性でろ組になれよ大体あれだけの発明品が作れてなんで成績が悪いの、何で?ねえ何で?」

「だって俺興味のないことに関しては馬鹿なんだよー!
俺の知能は全部さぶろー君か発明品に傾いてるからぁー!」

「どうやったら均等にその知能は分配されるの?
このまま頭を振ったら平均的に振り分けられるの?」

「ちょ、アイアンクローからのまさかのワンハンドネックハンギングツリー…だと…!?
力持ちにも程があるよらいぞー君、痛い、マジで凄い!!」

「大体学年が上がるたびに名前が同じ組にいないからってひと月ほど本気で落ち込む三郎とずっと一緒にいなきゃいけないとか流石に五年目ともなると心配通り越して心底鬱陶しい、わざわざ僕の目の前でやるから本当に鬱陶しい」

「二回言った!!
ていうかこの体制一昔前の悪役っぽい!!
頭モヒカンで肩とかやぶれた革ジャンとか着てる、『ひでぶ』とか言いながら死ぬ悪役とかやりそう!!」

「誰それ、なんなの?なめてるの?馬鹿なの?死ぬの?」

「うわああ誰かあああ!らいぞー君のストレスが臨界点突破して性格が変わっちゃってるよー!!」

「名前」

「はいなんでしょうらいぞー君!
なんなりとご用件をー!!
ただしさぶろー君といちゃつくなとかは正直死んでも無理ですー!!」

「このまま僕に絞め殺されたくなければ、六年になるころには死に物狂いでろ組にきなよ?」

「へ?」

「どんな手を使ってもいいから来い、お得意の発明でも薬でも何でもいいから来い」

「あれ?何これ俺もしかして感動する所?」

「返事は!」

「はい!!」

「よし」







「……なあ名前、今日雷蔵と二人きりで何を話してたんだ?」

「えー?俺がさぶろー君大好きでらいぞー君と一緒にいるところを見ると嫉妬で身を焦がしそうだって言ったら『だったら頑張って六年生では同じ組になるように頑張ってね!僕も三郎も名前を待ってるよ』って話してた」

「名前の耳ってどうなってんの?
一回善法寺先輩に分解してもらったら?」

「でも強ち間違ってないでしょ。
なんでらいぞー君は俺に対してそんなにSなの?」

「普通にイラッとするから。
多分名前が三郎といちゃいちゃしてなければそこまででもないよ」

「え…?雷蔵、もしかして、」

「変装引っぺがすぞ」

「すいませんでした」




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でも名前と同じ組になりたいのは本当。
同じ組になったらもっといらっとするだろうけどそれでもやっぱり三郎とセットで揃ってるほうが安心する雷蔵。
でもイラッとする。
この二人に接していると性格が変わってくる雷蔵。




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