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「さぶろー君さぶろー君」

「なんだ名前、下らない事だったら殴るぞ」

「真剣な話なんだってば茶化さないでよ」

「…珍しいなお前がそんな顔。話してみろ」

「うん、あのね」

「ああ」

「俺真剣にさぶろー君との子供を孕もうと思ってるんだけど、」

「よーし歯ぁ食いしばれー」

「待って!待って俺真剣なんだってばー」

「だったらそのへらへらした顔を止めろ!」

「元々こんな顔なんだってさぶろー君も知ってるでしょ、ながーい付き合いなんだからさぁー」

「…まぁな」

「さぶろー君のご両親に挨拶しに行って断られたときのことを考えて、子供の一人でも孕んどけばなんとかなるんじゃないかって思う」

「そうかもしれないが、根本的に、」

「さぶろー君が俺の子産んでくれてもいいんだけどさ、でも出産て危ないし大変だし、男が出産経験したら痛みで死ねるって俺の母さん言ってたしだったら俺がって思って」

「私もお前も男、」

「でね、考えたんだけどさ。
男の体のまま赤子の揺り篭的なのを体内に作っちゃうか、いっそのこと魔法のお薬でも作って女の子になっちゃうかなんだけど」

「聞けよ名前、無視をするな」

「…さぶろー君、俺が女の子でも愛してくれる…?」

「………お前、私が男色家みたいな言い方するのやめろ」

「え、違うの?
らいぞー君にもべたべたしてるし俺てっきり」

「雷蔵をそういう目で見るな!
いや、ていうか私をそういう目で見るな!!」

「じゃあ大丈夫?」

「別に男でも女でもお前が隣にいるならそれで良い!!
ただし、男だろうが女だろうが子供だろうがしわくちゃの老人だろうが絶対に私の隣からいなくなるなよ、いなくなったら絶交だぞ!?」

「なんと!!
まさかの愛の告白!!さぶろー君おっとこまえ!!
もう抱かれてもいい!!」

「…で、本気で性転換する気か?」

「一応研究はしてるけど、協力してもらってるのがぜんぽーじ先輩だからどう転ぶか謎」

「なんで頼んだ」

「面白そうだったから。
なんかミラクル起しそうじゃんあの先輩」

「あの不運をミラクルの一言で片付けるお前が凄い」

「魅惑の女体を手に入れたら、さぶろー君の部屋で布団の上で正座してスタンバってるから」

「ちっ、しょうがねえな」






「何もしょうがなくないしそもそも僕の部屋でもあるし子供とかどこから産む気?とかなんで既に研究してるのかとか本当に色々と突っ込みたいことだらけなんだけど二人ともいい加減いちゃつくの止めてくれる?
道端で『やだーみんなが見てるー』『見せ付けてやろうぜ』とか言ってるバカップルよりもイラッとする、殴っていいかな、ねえ、殴ってもいいかなぁハチ」

「あーもーいいんじゃねえかー?」

「何が凄いって敵の城に潜入する隙を伺ってる今その会話で盛り上がれるってところだよね」

「いちゃつきながら見もしないで手裏剣敵兵に命中させる息子達の言うことを無碍にする親がいるのなら見てみたい」

「そもそも僕の顔でそういうことするなって、
……いいやもう面倒くさいちょっと拳でわからせてくる」

「いってらー」







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雷蔵は基本的にこの二人に苛々してたらいい。
しかも何故か雷蔵を挟んでやるんだこういう会話を。
実習中の緊張感が台無しです。
でも基本的に二人揃ったらいろんな何かがぶち壊される。








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