「さぶろー君さぶろー君」
「なんだ、名前は私の半径85cm以内に近寄るな」
「新しい発明品ができたのです」
「へー」
「是非ともさぶろー君に使って欲しいと思って謙譲しに参りました次第です、はい」
「お前の発明品、私昔から碌な思い出がないぞ」
「私はさぶろー君に発明品使ってもらって幸せな記憶しかない」
「…そうかそれはよかったなど畜生」
「うん、昔も今もさぶろー君が傍にいて俺は幸せです」
「……ちっ、かしてみろ!命の危険は?」
「無いに決まってる、そんなのこの俺がさぶろー君に渡すはずない」
「死に掛けた覚えはあるぞ」
「不可抗力です、あれでさぶろー君が死んでたら俺は後を追った」
「名前と心中なんて嫌だぞ」
「俺的には状況によってはアリです」
「…で、これをどうするんだ?」
「華麗に振り回してみてくださいな」
「こうか?」
しゃらんらー。
「え、なんだこの音、何なんだこの光は!!」
「さあさぶろー君ご一緒にー。 『まじかる☆みらくるー』」
「ま、まじかる…?」
「『魔女っこさぶ子にだーいへーんしーん』」
「ちょ、ぎゃああああなんだこれええええええ!!!」
「うんさすが俺、さすがさぶろー君。 それを着こなせるのは君しかいない」
「元に戻せ名前てめえこの野郎ー!!」
「それは魔法のステッキです。 ごく普通の天才忍者だった鉢屋三郎は、世界の平和を守るため魔女っこさぶ子に変身して世の悪と戦うのだー」
「アホかー!!大体『天才忍者』の時点で普通じゃないだろう!!」
「ひらひらのミニスカートがよく似合うねえさぶろー君。 足白いなあ、綺麗綺麗、触っていい?」
「聞け人の話を!!」
「因みに必殺技はまじかる☆クナイアタックだよ」
「ただクナイ投げるだけだろうそれは!!」
「うん、ごめんね、衣装と変身に拘っていたからそこまで手がまわらなかったんだ○うっかり」
「舌出して上目遣いで手でコツンはやめろ可愛いじゃないか!!」
「まじでか。俺のさぶろー君悩殺作戦ノートに足しとく」
「いいからこれ元に戻る方法を教えろ!!」
「さぶろー君、恥ずかしいの? いつももっと恥ずかしい姿を僕の前でさらしてるのに?」
「ちょ、名前!!」
「いくらなんでも褌で学園内走り回るのはどうだろう、たとえ潮江先輩の姿であったとしても」
「よくわかったな、というかそっちか!!」
「さぶろー君の褌に白い糸で『名前命』って刺繍してあるからわかるよ」
「いつの間に!!いや、なんという変態!!」
「男はみんな変態だよさぶろー君」
「男云々抜きにして人の褌に刺繍とか普通に変態だ! いやそんなことはどうでもいい!! 元に戻る方法を言え!!」
「普通に着替えれば元に戻ります。 さぶろー君の制服はこちら」
「もうお前嫌だ!!」
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