七松先輩と私 | ナノ




○月×日 晴れ

最近、保健委員会の予算がピンチです。

主に上級生の実習が続いたこと、更に特定の上級生が鍛錬という名の大喧嘩によるものと思われます。
何か対策を練れないでしょうか。私も及ばずながら知恵を振り絞って考えてみます。
小さなことからこつこつと。
根本的なところからの見直しを考えなければいけないかもしれません。

今日の昼当番は、下級生が数人軽い怪我で来室しました。
消毒後、以前習った包帯のうたに従って、手当てをしました。



あとは、七松先輩が来室されました。
善法寺先輩をお探しだったようです。
バレーのメンバーが云々のお話だったようですので、今日は委員会があるからとお話してあります。


その後、薬草茶と以前作ったお団子を振る舞ったら綺麗に平らげて戻って行かれました。




夜当番の方へ

多分今日の体育委員会はお休みになると思いますので、夜のうちに薬を作りおいておくといいかもしれません。



昼当番 日誌 苗字名前








「………」




丁度夜当番だった善法寺伊作は、昼にかかれていた日誌を読んでいつもなら聞こえてくる『いけいけどんどん』のかけ声が聞こえてこないことに、日誌にしっかりと名指しでかかれている友人を思った。



「…名前ちゃん、いったいなにをいれたんだろう…」




最近、薬草茶は切れてしまい今保健室にはふつうの茶葉しかない。
くのいち教室の方で毒団子の実習をしたという話も聞かないし、
(そもそもそうであったなら昼頃には保健室の来室がもっと多くなっているはずだ)
うちで最近何かを作ったということもない。


つまり、完全なる私物というわけで。




「小平太が静かになるほどのものって…」




虫の声が聞こえる夜の時間、というのは非常に風流ではあるけれど。

いつもの諸々の鳴き声改めて掛け声も聞こえてこないのはいったいどういうことなのか。

伊作は、くのたまの保健委員である名前の無邪気な笑顔を脳裏に浮かべながら、
『小さなことからコツコツと』
『根本的なところからの見直し』
の辺りの文字を軽くなぞりながらも、



「…まあ、いいか」



たまにはこんな日があっても。



何故か名前に寛容な小平太のことだ、後々厄介なことにはならないだろう。

そうして薬草を並べだす伊作も、かなりこういった状況に慣れてきている。


そして翌日、普通に仲良く話している小平太と名前を見かけた。
…一度お互いをどう思っているのか聞いてみたいと思う。


「#お仕置き」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -