ぶるりと身震いし、薄く目を開くと風介の寝顔が見えた。よく見ると私のタオルケットまで持っていってしまっているではないか。いつもは腕まくりしてたくせになぁ、とエイリア学園時代を思い出してくすりと笑いが零れた。あの頃の私たちはあまりにも幼すぎたのだ。
起き上がって時計を見るのがめんどくさいので、窓に目をやると、深い青色の空が見えた。まだ寝れるだろう。そう思い、風介からタオルケットを一枚剥がす。なるべく静かにやったつもりだったのだが、風介はそれに気付いたらしく、目を擦りながらこちらを見た。

「……あさ?」

「ううん、まだ朝じゃないよ。起こしちゃってごめんね」

「ん、さむい」

「仕方ないなぁ」

私だって寒い。仕方なく風介の傍に寄り添って自分のタオルケットを掛けてやると、ありがとうと言われたからなんとなく悪い気はしなかった。明日は掛け布団を出そうか考えていると風介に指をぎゅうと握られた。

「風介?」

「なに?」

「…ううん、なんでもない。とにかく一回放して」

起きたとき指が痛くなりそうなので、もう片方の手で無理矢理風介の指を放した。風介はむすっとした顔をしたが、もう一度痛くならないように繋ぎ直すと、すぐに満足したように微笑んで目を閉じた。繋いだ手から全身が温かくなっていく。このまま深い青の底で眠ったとしても、この手さえ放さなければ、私はまた風介と共に目覚めるのだろう。幸せを噛み締めつつ、私も目を閉じた。

「おやすみ、なまえ」

「おやすみなさい、風介」








ラストブルー(110411:イナズマイレブン)
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