「好きだよ」突然そんなことを言われてそうなんだ、と答えられるほど私は冷静な人間じゃない。だいたい勉強を教えてもらうために来たはずなのにどうしてベットに押し倒されているんだろうか。いくらなんでも今回の悪戯はタチが悪すぎる。もがいてみるも、私の手首を抑えているミストレの力は意外にも強く、あまり意味はなかった。やっぱり男の子なんだなぁと感心している暇などない。こんなことを考えてる間にもミストレの顔はどんどん近づいてきているのだから。「…冗談はやめようか」「これが冗談だと思うの?」「だっていつもブスとか馬鹿にしてくるじゃん」ミストレはわざとらしくハァと溜め息を吐いた。なんでこっちが呆れられないといけないんだ。少しの殺気を篭めて睨めば、ミストレは二度目の溜め息を吐いた。幸せ逃げるぞ。「じゃあもっかい言うからよく聞いてなよ」「は、」「好きだよなまえ。ずっと前から好きだった」「ミ、ミストレ?」「からかったらすぐムキになるところも、そうやって顔真っ赤にするところとかも全部可愛い」そのまま顔が近づいて、チュと音が聞こえた。キスされたと気づくまで数秒かかってしまった。唇に感触は残っていない。しかし赤いであろう顔がさらに赤くなっているのは何となく分かる。その顔を見たミストレは満足そうに笑ってベ、と真っ赤な舌を出して言った。「オレの次に、だけどね」











なんかもう、ぜんぶきみがいいや(110228:イナズマイレブン)