∴枝瀬くんとおしゃべり
「枝瀬くんなら大丈夫だと思うよ」
「なにが?」
「御園さんと幸せになれると思うよ、きっと」
「そう、かな」
僕とまゆの幸せを肯定してくれる人は、今まで生きてきた中でこの人一人だけだった。喉の奥から何かが込み上げてくるような気がした。僕は、誰かに肯定してほしかったんだろうか。
「枝瀬くんの周りでは色んなことが起こるから大変だろうけど、頑張って幸せになってね」
ああ。僕はこの人が好きだったのかもしれない。嘘、なんかじゃなくて。
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