私は義体のあの子たちを愛していて、それでいて尊敬していた。

「私たちにはなにも残りませんね」

そう言って笑えば、ジャンは怒ったような泣きそうなような顔をして私の頭を叩いた。その手に以前のような力は篭っていない。

「残っている。お前が探さないだけだろう」

そう言われ、こちらに向けられたパソコンを覗き込む。画面には見知った友に瓜二つの女の子が映っていた。カフェオレのような褐色の肌、光を当てればキラキラと光る黄金の髪。神様に愛された、聡明で美しい、はにかみ顏のあの子。
溢れ出す涙ごと顔を手で覆い隠せば、ジャンが私の頭に手を置いた。その手は心なしか暖かかった。そんな優しさどこで覚えてきたの。


121220/遥かのエルドラド(title by ルナリア)

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