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あれから。
私と船長は特に何か変わることもなく、今まで通り航海を続けている。
今までと違う何かが確かに私の心には存在していて、もて余す時もあるけれど。
それでもこの海賊団が私の居場所であることは変わらず、船長の為に尽力しようと思う気持ちは以前より強くなって。
そして少しだけ、船長の傍にいることが多くなった気がしているだけ。
***
あれから。
レキとは特に変わったこともない。時々ドジをやるあいつをたまに冷やかして、たまに怒鳴ったりもするわけだが、それすらも日常だ。
ただ最近、戦闘になったら真っ先に空へと翔び出すレキを不安に思うことがあった。あいつの実力を危ぶんでいるわけじゃない。ただ、そう心配になる。あいつはこの船のクルーであることにとても大きな意味を持っていて、その為なら何でもする。
いつかその能力の様に、ふっと消えてしまいそうで。
こんなことを考えるようになったのは何故かという答えも出ないまま、それでも最近気付いたこともある。
レキが傍にいると、妙に安心できる自分がいた。