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シャンクス




クリスマス、昔はよく家でパーティをしたし、サンタを信じていた。世界地図だとか、流行りの本とかをお願いしていたと思う。そんな可愛い幼少期の記憶があやふやになったのは目の前の赤い髪の男のせいだ。
「そんなに見つめても何も出ないぞ」
毎日飽きないほどの冒険と発見。心臓は百あっても足りない。もう頭の中の思い出はこの男ばっかりだ。……そんなこと本人に言ったらどうなるかなんて想像つくから絶対言わないけど。
「なんで顔近づけるの」
「キスしたいんじゃないのか?」
その問いかけにNOの意味をこめて胸をぐっと押す。その手を取られて気づけば顔は目の前だった。仕方ない。問答無用でキスされるのは日常茶飯事だから抵抗しながらも心は諦めて付き合う。
「ん、できたな」
「なにが?」
不思議に思う私に握られた手を見せてくる。いつの間にかしっかりと握られた手の小指には指輪がついていた。シンプルで、装飾が何も無い剣を握るのに邪魔にならなそうな指輪。
「それならつけておけるだろ?なんだったか、クリスマス?のプレゼントだ」
これはシャンクスと海にでて知ったことだが、クリスマスは私の島でしかない行事で、ベックマン以外誰も知らなかった。しつこく聞いてたから覚えてくれてたのかと少し嬉しくなる。
「たまにメリケンサックにするのは許してね」
「遠慮なく殺れ、何回だって買ってやるから」
手を握りながら指輪がある場所にキスをしてくる彼に照れ隠ししてごめんねと心の中で謝り、軽い冗談の言い合いをした。

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