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サンジ




フライドチキンにケーキに可愛いクッキー。次から次へとキッチンに並べられた料理に目を奪われる。そうしてる間にまた料理がひとつ出来上がった。
「つまみ食いしたい……」
「○○ちゃんなら大歓迎!……って言いたいところだけどごめんね。もうすぐで終わるからクッキー食べててくれる?」
その声にクッキーに手を伸ばし口に入れる。焼けたばかりのあつあつで、いい香りがする。目を閉じれば目の前にクッキーの山が見えるほどだ。
「サンジくんって魔法使いだ……」
「最高の褒め言葉だよ、ありがとう。プリンセス○○に魔法かけれたかい?」
「ドレスにガラスの靴にお城までついてきちゃってるよ」
「それはよかった」
くるくると魔法をかけるように人差し指を回す私に、クスクスと笑いながら手は止めない。やっぱりサンジくんは最高にかっこいい。
「そんな魔法使いに魔法の石あげる」
持ってきていたプレゼントを開け、料理する彼の後ろに立つ。椅子の上に膝立ちすればちょうどいい高さになり、彼の首にネックレスのチェーンをまわした。
「ちょっとだけじっとしててね」
サンジくんの耳が赤いから私の行動に固まってるらしい。その間にフックをひっかけ、彼の首に腕を回す。耳の裏にキスすれば完成だ。
「ち、ちょっと○○ちゃん!?」
「私からのプレゼントだよ。大好きだからねサンジくん」
耳元で言ったからか、静止している。かと思えば腕をゆっくり離され正面から抱きしめられた。この高さからサンジくんを見るのは珍しい。
「おれだって大好きだよ。だから好きって言うときの顔見せてくれない?」
真っ赤な顔のまま私の頬を優しく手で包む彼にもっと好きと言えば「うんうん」と聞いていたが、唐突に鼻血を出してぶっ倒れて私は「チョッパー!!!!」と叫ぶのだった。

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