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スモーカー




スモーカーと久しぶりに休日が被った、というよりたしぎちゃんに気遣われクリスマスに休みを合わせてくれた。休みでもどこか行くわけでもなく家でだらだらするのが私たちだけど。
「G5なんて毎日ホワイトクリスマスじゃん。ラッキー」
「なに馬鹿言ってんだ」
「スモーカーがホワイトアウトしたらもっとホワイトクリスマスじゃない?」
返事を返すこともめんどくさくなったのか意味がわからないという顔をして私から目を外した。仕方ない。クリスマスといってもG5に商店街はないし、可愛い雑貨屋もない。外は吹雪だし暇にもなってしまうのだ。そう考えながらソファに座る彼の肩に全体重をのせるように背中を預ける。すると彼の手からもくもくと煙が出て部屋を覆う。何がしたいのかわからず、そのままにしていると急に頬を引っ張られた。
「ひた、なひふんの」
その腕を掴もうとすればするりとすり抜けて次はお腹を摘まれる。どうやら私で遊んでるらしい。
「このー!」
煙のこの辺りかと目星をつけるがまたすり抜ける。そうやって格闘していれば、背中の支えが消え全体重をかけていた私はソファに沈んだ。
「っわ、な」
「准将、弱すぎじゃねェか?」
「武装色使っていいなら言ってよ!」
いつの間にか私の上にのっていたスモーカーに次は武装色を纏わせ肩を叩く。でも今更そんなことしても遅かった。
「よかったな、一面ホワイトだぞ」
「今はスモーカーの赤しか見えないよ」
鼻がくっつくほどに近づく彼に、ホワイトとは程遠い赤い目が私の目の前を支配される。でもこれはこれで悪くないかとしっかりと覇気を纏わせながら彼の頭を引き寄せた。

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