12/13

サボ




革命軍での幹部のみの飲み会、その途中に急に横から手首を掴まれ、外へと連れ出された。
「へへ、二人っきりじゃなきゃ意味ないだろ?」
「わかった、何かくれるんでしょ」
私たちがあんな中でプレゼントを渡しあったらそれこそ一週間は冷やかされ酒の肴にされる。そんなことは絶対避けたかった。
「これ、開けてみてくれ」
細長く白い箱。ネックレスなことはわかり、そっと開けてみれば4cmほどの大きさの青い石がついたネックレスだった。
「すごい綺麗な石。こんな色初めて見た」
「だろ?見たときに○○に似合うと思ったんだ。それにおれにもぴったりだ」
"おれにも"という言葉に首を傾げれば、前からネックレスをつけてくれる。胸元にくれば月の光が当たってもっと綺麗に煌めく。それをそっと持ち上げた彼は反対の手に炎を灯した。
「こうやって、熱すると……ほら」
そう言われ炎ばかり見ていた瞳をネックレスへ移すと石がエメラルドに輝いている。先程の深い海のような青とは違う、浅瀬の海のような色だった。
「すごい……」
「これならおれが必要だろ?」
その彼が炎を手のひらに収めるのを見て抱きついた。彼がいないと変わらない石。その重みが私の首にかかっているのが嬉しくて「愛してる」と滅多に言わない言葉を発しながら彼の瞼にキスを落とした。

[ 13/25 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -