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ドレーク




ドレークへのプレゼントが何がいいかわからなくて停泊した島の商店街をぐるぐると歩き回る。やっぱり実用的なものかな、でもそれじゃ味気ないし、アクセサリー?そんなの彼がつけてるところ見た事ない。肉にするか?と脳みそに限界がきたあたりで入ったお店にある"それ"を見てすぐ引っ掴んだ。今思えば本当に疲れていたんだと思う。クリスマスの宴中にプレゼントを思い出して後悔した。
「あー、まってプレゼント後で渡したい。ドレーク以外に見せたくないから」
追加でそう言ったせいでハードルがもっと上がった気もするけど。


「その、プレゼント見ても怒らない?」
「何であっても怒りはしないな。○○との関係を考え直さないといけないかもしれないが……嘘だ」
私があまりにも慌てた酷い顔したせいか、笑い声を引っ込め頭を撫でられる。雰囲気がましなうちにとさっさと取り出し、ドレークに押し付けた。開けるのを見るのすら怖い。
「……なんだ?これは」
「セーターです……」
恐竜が立体的に飛び出てるセーターで恐竜の周りはおぞましいほどの柄が敷き詰められている。オシャレなセーターかといわれれば絶対違う。今すぐ彼の手から奪いたいのを我慢した。
「おれが恐竜だから選んでくれたんだな。ありがとう」
「……笑っていいよ」
笑いを耐えながら褒めてくれる彼にどうぞと言えば豪快に笑いだす。恐竜を撫でてるから嫌いではないんだろうけど。
「ありがとう、おれは好きだ。着るタイミングはわからないが」
笑いながら言ってくれることに感謝をしつつすごく申し訳なくなってきたから「ドレークが選んだセーター着る。すごいの選んで」と言ったら猫の顔が敷き詰められたのを持ってきて、クルーにドン引きされるのはまた別の話。

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