一生分の幸せを

「日の本一の槍こと、日本号。只今推参。あんた、おれがくるまでに……なんだ?」
「っ、やっときた……遅す、ぎでしょ」
呼ばれて来てみれば目の前にはボロボロと涙を零す女と苦笑いの刀。彼女が畳におでこをつけたせいで顔がよく見えない。横の刀に目配せしたあと顎を掴んで目を合わせた。
「おれが来ただけでこんなんなってるとは光栄だな。確認だが、あんたが審神者か?」
「そう……しあわせすぎるなぁ」
微笑みながらおれを見る彼女に少し驚かされ「そりゃよかった」とだけ返事をしておく。
待て、周りに桜が散るのは止められないのか?

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テーマ「人外ファンタジー」
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