誰にも渡さない

地面に崩れ落ちる彼女の前に仁王立ちをし、煙のあがる愛銃の撃鉄を起こした。
「おれの女に汚い手で触らないでくれるか」
「お前、次元大介か」
脂汗を滲ませながら血塗れの肩を押さえるこいつはどうせ、次の反撃を考えているのだろう。銃を握る手を弱めず後ろを伺う。
「○○、生きてっか」
「生きてるけど、私の真横に撃ち込むとか怖すぎ」
今回の標的がギザで気に食わなかったのに、その男が彼女に迫った挙句、頬まで撫でるのを見せられて耐えるほうが難しい。
「悪かったな、目瞑ってろ」
心臓目がけて引き金を引けば、残ったのはおれたちと嗅ぎなれた硝煙の匂いだけだった。

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