マッドハッター

ゾロ


アリスなんて可愛らしいのこの歳にもなって似合うわけなかったから、仕方ないとシルクハットを被る。にっと笑えば完成だ。
「Hi,ゾロ座って?」
「なんだこれ」
長いテーブルにカラフルなお菓子やお茶。この仮装には欠かせないものだ。
「マッドハッター、帽子屋の仮装。本格的でしょ?」
「おれがアリスって?」
「そう。アリスこんな有名ななぞなぞは知ってる?……カラスと書き物机が似ているのはなぜ?」
アリスの話は知っているが、本をちゃんと読んだことはないらしい。ゾロは地面と水平になるんじゃないかってぐらい首を傾げてる。
「これが答えれたらお菓子をあげる」
「…………つうか、今日ハロウィンだろ。Trick or Treat」
ゾロなら気づかず悩む姿見れると思ったのに……この言葉を言われたら、悪戯を回避するためにお菓子を渡すしかない。
「はい、どうぞ……ゾロならもっと悩んでくれると思ったのにな」
「仕掛ける相手が悪かったな」
シルクハットをぽんぽんと叩かれちょっと負けた気がした。だからとっておきのクッキーをもう一つつけておく。
「好きに捉えていいよ、アリス」
「"Bite me"ね。ありがとうなマッドハッター」
クッキーに唇を寄せた彼に私の含めた意味はバレバレなんだろうな、と苦笑いした。

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