悪魔

レイリー


シャッキーの美味しいケーキもらおうとバーに来たはいいけど、入って早々捕まり、服を着替えさせられメイクをされている。「なにこれ?」とは十五回は言った。
「できあがり、行きましょうか」
手を掴まれ高いヒールで転けないようにエスコートされる。開いた扉の先には玉座に座る仮装したレイリーさんがいた。
「よく似合っている。ゆっくりでいいからおいで」
長いドレスに高いヒール転けないようにするのがやっとで、一歩一歩踏みしめるように歩けばあと数歩というところで前にバランスを崩す。このドレスで大転倒なんて嫌だとレイリーに手を伸ばせば、すぐ取ってくれて玉座に上がる形になってしまった。
「魔王の玉座に飛び込むとはお転婆だな」
「魔王……ありがとう」
レイリーさんは魔王らしい。じゃあ私はなに?悪魔かな?
「Trick or Treat?可愛らしい悪魔は何か持っているかな?」
「え……なにも持ってない、です」
「それなら悪戯をしよう」
その言葉と共に体の重心が後ろへと傾き慌てて彼の首に腕を回した。私が腕をはなしたら地面へ落ちるし、腹筋の限界が来たら終わりだ。そんな焦るような状態なのに、彼は余裕があるようでキスしてくる。いつもと同じような濃いキス。私はそれどころじゃなくて舌を絡めるのを疎かにしていれば、すぐ口が離れた。
「私を満足させられたら終わりだ。私は筋力には自信がある。だからこのままでいられるが君はどれくらいもつかな?」
至極楽しそうな顔で唇を舐めるレイリーさんに「この鬼!」と言えば「魔王だ」って返されるし叫んだことで腹筋を使ってしまい、早く終わらせないと!とレイリーさんの口にかじりついた。

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