サキュバス

コビー


いつもちょっと奥手なコビーに今日ぐらいこの服を着てもいいだろうと露出の高い悪魔の服を買った。もちろん角もしっぽもついてる。でも、忘れていた……私の体型はグラマラスとは言い難い。つまりこんなにお腹と足が出たのを着ると、寸胴になるのだ。
「あ〜やっぱり……服は可愛いのになぁ」
もうそんなこと言っても遅い。コビーはもうそこまで来てる。仕方ないと大きな白い布に穴を開け始めた。
「Trick or Treat!お菓子ちょうだい」
「お化け?」
「そう!可愛いでしょ」
白い布をすっぽり被った定番のお化け。頭を撫でてくれる彼に擦り寄り抱きついた。
「実はこの下可愛い服着てるの。けど似合わなくて……だから」
「見せてくれないの?」
そんな純粋な目されると見せそうになる。ぎゅっと耐えて「少しだけね」と布をぺらっとめくりすぐ戻せばコビーの顔が真っ赤だった。
「これ他の誰かに見せた?」
「コビーだけだよ」
自分の視界に入れないようになのか、ぎゅっと抱きしめられ彼の熱くなった顔が頬に当たる。体温の高さに自分が思ってたより喜んでもらえたのかな、と彼の頬にキスすればびくりと体が揺れた。

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テーマ「人外ファンタジー」
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