3/3 サンジ

いつもみんなのために料理を作っては動き回ってるのにそれは今日もやめないらしい。

「今日ぐらいよくない?」
「ありがとう。そう言ってくれるのは嬉しいけどこの船のコックはおれだからね」

そう言ってまた包丁を動かし始めた。隣のウソップにはもう諦めろよと肩を小突かれ不機嫌な顔で返す。

「サンジ、こいつが今日の夜、誕生日サービスでいっぱい甘やかしてくれるってよ」
「は?!」
「お前構ってくれなくて拗ねてんだろちょうどいいじゃねぇか」
「……じゃあ宴は早めに切り上げて、2人で過ごそうか。いい?」
「あ、あーうん。そうし、よ」

わざわざこっちを向いて微笑んでくれる。恥ずかしすぎて項垂れればウソップににやにや笑われた。



2人っきりになったはいいけどずっとサンジくんに尽くされている。お酒も持ってきて注いでくれておつまみも作ってきてくれた。ブランケットもかけてもらったし……

「違う違う。サンジくんに尽くされる日じゃない。サンジくんに尽くす日!」
「おれは好きでやってるから気にしなくてもいいよ」

その笑みに流されそうになるが耐える。

「誕生日だから、なんかしてほしいことない?なんでもいいよ」
「んーそうだな。じゃあキスしてくれる?」
「……目瞑ってて」

定番だなと思いつつ目を瞑って綺麗な顔にそっと顔を近づけキスした。

「なんでそんなに嬉しそうなの」
「ふふふ。好きな子からのキスは嬉しいものだよ、ありがとう最高の誕生日だ。」
「大袈裟だよ」

恥ずかしくて手をひらひらとふれば掴まれる。

「まだおれの誕生日終わってないんだけど、もっとしてくれる?」

さっきと同じように笑ってるのに目に欲が混じってるのが見えて誕生日だからなんでも好きにしてくれとサンジくんに抱きついた。

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