シルバー

窓から入る陽の光に照らされてより一層きらきらと輝くちょっとうねったシルバーヘアーがかっこいい。部屋に入った私は目の前で誘惑してくる髪の毛に耐えきれず座っているベックに即座に飛びついた。

「おい、待て危ないだろ」

何か言ってる気もするが気にせず頭を抱え込み髪の毛に手を差し込む。持ち上げて数本ずつさらさらと流してみたり上から下に梳いてみたり指にくるくる絡ませてみたり。私の服に邪魔されもごもごとしゃべる呆れ顔をしているであろうベックに免じてぽんぽんと最後に頭を叩いて離した。

「ベックの髪の毛素敵だから触ってみたくて」
「満足したか?」
「とっても」

そう言いながらもまた髪の毛に手を伸ばし撫でれば、葉巻を灰皿に押し付けたのか消える音がする。それを見ようとひねった首を元に戻されおでこをくっつけられた。

「本当に〇〇は、はしゃぐのが好きだな」

あ、まずい。そう思った瞬間唇をがぶりと噛まれた。食うように唇を押しつぶすように荒く口付けられて抵抗するように胸板を叩く。離れた彼の顔は意地悪な笑みを浮かべていた。

「ちょっとは反省してくれ」

痛む唇をおさえ睨みつけても意味は無いらしい。次からは声掛けてからにしますと言ってから、勇気をだしてもう少し優しくしてほしいと小さな声で強請った。

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