毛先まで愛おしい

「この服は?」
「だめだ、普段と一緒で変わらねェ。もっとハデに色が違うやつのほうがいい」
「バギー何色着ても似合うからなぁ。じゃあこれは?ピンクとかパステル普段着ないでしょ」
「ハデに嬉しいこと言うじゃねェか!だが、ピンクすぎるとなァ」

海賊万博に行くとなってみんなの服を新調することにしたバギーズデリバリーはファッションで有名な島に来ている。バギーはあの大きい赤の布の服の他に全く違った雰囲気の服がほしいと言うから一緒に選んでいるのだが、なかなかうまくいかない。

「パステルってのはいい考えだ。 このコートにズボンを合わせて……おれ様にかかればこんなもんよ!」

出来上がったバギーは今までとはまた違った魅力があってかっこよくてかわいい。
しかし髪だけ少し浮いていた。

「髪、ちょっと浮くね」
「染めるか」
「うん……え?染めるの?ほんとに?」
「なんだァ?似合わねェってか!」
「違う、青髪好きだから……」

鏡越しに目を合わせて言えばブリキの人形のように首が動き、こっちを向いた。

「スキ……?だからかァ?朝おれの髪を異様に触るのは」
「起きてたの!」
「ああも触れられば起きもするわ!」

切り離した手を頭にチョップされ痛がりながら後ろへ半歩下がる。けど、すぐに腕を掴まれ戻された。

「あ、まって今恥ずかしいから顔見ないで」
「うるせェ」

頬を掴む力が強い。さっきのチョップより痛くて手首を叩いて見るけど意味なくて、バギーと目を合わせれば痛さなんて吹っ飛んだ。

「青髪が好き、なァ。染めるのまた今度にしてやるよ」
「ひひよ、そえて」
「おれの髪好きだもんなァ?」

バギーは店をでるときご機嫌で、すでに買い物を終え外で待っていたギャルディーノとアルビダに「なに気持ちの悪い顔してんだい」と言われ「いやァ、こいつがな」と上機嫌で言い始めたから全力で遮った。

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