私だけなんてやだ
私の前であまり露出しなくなった。こんな言い方すると露出狂みたいになるが、海軍だったときはタンクトップだって半ズボンだって着てるところを見たことがある。今は出てるところは顔と首くらいしかなくて手袋だって外したところを見たことがない。そんなに火傷を見せたくないのだろうか。
「そろそろ傷見せてよ」
「ん?」
「右半身火傷、左足欠損。報告あがってきたから知ってる」
「報告と実物見るとでは違うでしょうが」
「じゃあ私と寝るときどうするの?」
近づき彼の膝にのって首に腕をまわす。首を傾げ最大限に可愛く甘えてみれば深く長いため息をつかれた。
「軽々しくそういうことしないの」
「だって最近してないじゃん」
膨れた顔をして彼の胸に体重を預ける。
「どうするってこうするしかないでしょ」
私の服の隙間から手袋したままの手を入れられ背中まであがってきたから「傷見せてくれるまでやってあげない」と彼の手を叩いて逃げた。
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