よくわかってる
「はいプレゼント」
あらかじめ買っておいたカラフルな柄のピアスを差し出す。この色を見たときバギーの顔が思い浮かび、空のように青い髪によく似合うだろうとすぐさま会計してしまった。バギーは身だしなみを気にする人だから気に入ってもらえるか少し不安だった。けど、杞憂だったらしく袋を開けた途端鏡台に向かっていく。
「お前にしてはセンスいいじゃねェか」
「本当はネックレスにしようかと思ったんだけどバラバラになったとき落とすかなと思って」
「……俺が貰ったもの落とすわけねぇだろ」
ハデ馬鹿と右手が飛んできてそこそこ痛いデコピンされた。おでこに跡が残ったらどうしようと手で擦る。痛いの痛いのバギーに飛んでいけ。
「まぁピアスのほうが邪魔にならなくていいけどな」
一人で馬鹿みたいなことしていると、「おらよ」と鏡台に元々置いてあった小さな箱を投げられる。 慌ててキャッチし開ければ同じようにピアスが入っていた。
「わぉ以心伝心」
大きめのりんごがついた可愛いピアスで私も隣に並んでつける。黒髪に赤はよく映えて、動きに合わせて揺れるのも素敵。いくつもピアスは持っているけど、これが一番のお気に入りになりそうで、色々な場所につけていくのが楽しみになる。
「さすがバギーありがとう」
嬉しくてテンションのあがった私は、隣で肘をついてにやりと笑う彼に飛び込む勢いでロ付けた。
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