もふもふ

ミンク族には当たり前のガルチューをちょっと照れながらも受け入れそわそわとしていれば周りの子たちが一斉に私に向かってきた。

「え、なに!」
「ジャレようぜー!」
「ぺろぺろさせろー!」

頬をぺろぺろ舐められるし、周りに寄ってこられるからどこもかしこももふもふで、戸惑いながらも精一杯撫でてあげる。みんな可愛くて笑いながらやるが、誰もどかないどころか人数は増えるばかりで埋もれると思った瞬間部屋に声が響いた。

「ゆガラら、やめないか!彼女はミンク族の文化に慣れていないんだぞ」

渋々といった感じでゆっくりと離れていく子たち一人一人の頭を撫でてあげれば空いた隣にペドロさんが座った。

「ありがとう」
「いや、こちらこそすまなかった。習慣みたいなものでな」
「じゃあ、ペドロさんもこういうの好き?」

おもむろに頬に手を伸ばし撫でてあげれば避けられることなく受け入れてくれる。頬を撫で顎までいき猫のようにくすぐっていればごろごろと喉が鳴り、手を掴まれた。

「今はやめてくれ、ジャレついてしまいそうだ」
「ペドロさん一人だったらいくらでもいいよ」

笑って掴まれた手を引けば目を逸らし照れている。ほらほらともっと引っ張ればぎゅっと抱きしめられ肩に顔を埋められた。髪に指を通し耳にキスすれば「ずるいぞ!」とさっきの子たちが周りに集まり始め「今はペドロさんの時間でーす!あとでね」と繋いでないほうの手を彼の首にまわした。

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