抱き枕

「生きてる?」
「あ?」
「おー!流石5徹目凄みが違う」

一緒に寝てくれなくなって5日。そろそろ私も一緒に寝たいし、ベックの体力も限界だろうと部屋に踏み込めばいつもの倍怖い副船長が書類仕事していた。

「コーヒー零してるし、隈すごいし髪の毛乱れてる。一旦休憩しよ」
「後でな」
「その、後でっていつよ」

これは重症だ。この言葉を信じて待ってるとまた夜が明ける。彼の白髪に指を通して撫でつけいい説得方法はないかと思索する。あ、

「副船長さん、抱き枕いりませんか?」
「……」

彼の前で手を広げじっと待ってみる。また一蹴されるかと思いきや、目をぱちぱちさせたあともたれかかってきた。ぐりぐりと顔を押し付けられ肩が擽ったい。思考回路が単純になってきたのかも。

「お疲れ様、ねる?」
「ねる」

ベックの素直さが可愛くて笑ってしまいそうになるが耐え頭を撫でれば抱き上げられた。いつもみたいなお姫様抱っこじゃなくて荷物みたいに抱えられ相当きてるなと苦笑する。

「おやすみベック」
「おやすみ」

起きたらシャワー浴びて、ご飯食べて、と予定をたてながら寝かしつけるように背中をとんとんと叩いた。

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