『臨也さんと、一緒に』
はっきりと正臣が告げたそのとき、静雄はそっと詰めていた息を吐いた。
(そうか、あいつはもう、決めたのか)
凛とした少女の顔は美しく、静雄はなんだか見てられない気持ちになり目を反らした。
そしてその瞳を大きく見開くこととなる。
視界の先にいたのは臨也だった。静雄が嫌というほどよく知っている折原臨也だ。しかしその表情だけがいつもと違う。
(ノミ蟲もあんな表情、出来んのか)
胸糞の悪い、小馬鹿にしたような表情しか出来ないものだと思ったのだが。これはいいネタになるかもしれねぇ、そう思った静雄は一瞬小さな期待をし。
すぐに思い直したように首を降った。
(笑えるほどのもんでもねぇしな)
そうは思ったもののやはり見てられない気持ちになり、静雄は手元のタバコに目を落とした。
幸せになりましょう
健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、
君と二人で生きていく。