＊女装注意！









「お帰りなさいませご主人さま〜」


『メイドさんな紀田正臣が現れた！』

『静雄は硬直した！』

『静雄は硬直している！』

『静雄は硬直している！』

『静雄の硬直が解けた！』


「手前…そんな趣味があったのか…」

「まさかのマジ引き!?ちょ、ここは二次創作なんですから真っ赤になって目を反らして『似合いすぎだろ…馬鹿』とか言っちゃたり悶々ムラムラしてガバッとやっちゃって『可愛い格好してるテメェが悪い』とか言っちゃってアーッな展開に持ち込んだりしてくれないと!!」

「あー…悪い、似合う似合わない以前に女装してるっつー事実だけを見つめてた」

「いいんです、そんな静雄さんを愛してますから…で、どうですか？俺、似合ってます？」

「………」

「……沈黙は時に全てを語る…すみませんでした、着替えてきます」

「待て待て。お前それどうしたんだ？買ったのか？」

「いえ、違います。臨也さんに貰いました」

「はぁぁぁ？あの、ノミ蟲野郎がなんで…」

「や、あのですね、なんかいきなりにコレ突き付けてきて『ちょっとコレ着てみてよ正臣くん』って言われまして」

「着たのか？」

「まさか。当然俺は『冗談言わないでくださいよ臨也さんが着ればいいでしょ』って断ったんですよ」

「当然だな」

「そしたら臨也さん、マジで着まして」

「…あいつ、ソレ着たのか…？」

「はい。ノリノリで。臨也さん顔はいいから見れないこともないんですけど、このメイド服が俺用のサイズだからスカートの丈とか若干短くて不愉快でした」

「…何やってんだ手前ら…」

「なんか妙に楽しそうだったから元々そういう趣味を持ってたんだと俺は踏んでますけどね。まぁそんなことがあった次の日、っていうか今日なんですけど、いきなり臨也さんがこれあげるって言い出しまして」

「…貰ったのか」

「最初は断りましたよ？けど…」

「けど？」

「臨也さんが『いいからコレ着てお帰りなさいご主人さまーってやってごらんよ。シズちゃんムッツリだから絶対こういうの好きだって喜ぶって』とか言うもんですから」

「あ、の、野郎…！っつか手前も手前だ！あんなヤツの言うことホイホイ聞いてんじゃねぇよ!!」

「んー…まぁ、そうなんですけど、ねぇ…」

「…紀田？」

「臨也さん、なんだかんだ言って静雄さんと付き合いだけは長いじゃないですか？」

「…まぁ、高校からだからな」

「それって俺の知らない静雄さんを知ってるってことでしょ？なら、一か八かで意見を採り入れてみようかな、と」

「…なんで」

「…単純ですよ。もっと静雄さんにドキドキしてもらいたいんです。俺のこと、もっともっと好きだーって思ってほしい。その為だったら遊ばれてる可能性大だって臨也さんの言うこと聞きます、俺は」

「………」

「まぁ、今回は失敗だったみたいですけど。次はリベンジしますよ！」

「……はぁ」

「静雄さん？」

「あー手前は、なんつーか…馬鹿っつーか…」

「馬鹿!?」

「馬鹿だけどそこが、ああ、可愛い、な」

「っ！！」

「お前が思ってるよりか俺は紀田のこと、好きだと思うぞ。だからもうあの野郎の言うこと、聞くなよ」

「は、はい!!」

「あと、それから」

「はい？」

「今日のは別に失敗じゃねぇよ。あーなんだ、その、可愛い…と思うし、ムラムラ？してる、今。ノミ蟲が着てたと思うと萎えるけどな」

「静雄さん…！」

愛してご主人さま

「スカートと靴下の間から腿がちらっと見えるのがいいな」

「!!!!?(意外と静雄さんマニアック!?)」

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