四代目日番谷
ソウルソサエティver
年上女性部下(連載ヒロイン?)
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「ああ、隊長ちょうどよかったです。この書類に目を通していただけませんか?」
手にした書類をひらひらと振って、彼女は廊下の反対側から慌ただしく早足でやってきた上司に声をかけた。
自分よりも目線の低い、白髪に翡翠の瞳をもつ彼は、彼女の姿をみとめると少し進路をずらして彼女の元までずかずかとやってきて、
「これやる」
両手いっぱいに抱えた菓子を押し付けた。
渡されるまま受け取ったそれを見下ろしていると、日番谷は彼女が持っていた書類を自身の空いた手に取る。
「また浮竹隊長にいただいたんですか?」
「ああ、……って、食ってんじゃねぇ」
「隊長がくれたんじゃないですか」
書類の文字を追っていた目を上げれば、はむはむとウエハースを頬張っている彼女の姿。
悪びれた様子もなく、職務中だろうが、という言葉はため息の中に消えた。
まあこれでも、職務中に行方不明になるかお茶ばかりしているどっかの副隊長よりはましだろう。
「隊長もちょっと甘いものでも食べた方がいいですよ」
はい、と言って、彼女は二枚一組で包まれていたウエハースのもう一枚を、シワを寄せた眉間に片手を当てて憂鬱そうな顔をしていた日番谷の口に入れる。
抗議を示そうとした日番谷だったが、無邪気な顔でウエハースを堪能している相手の顔を見て、文句を言う気も失せた。
もう一度ため息をつくと、彼女の横を通りすぎざま片手にした書類でぱしんと叩いて、
「おまえは仕事しとけよ」
もう片手のウエハースを食べながら、執務室に戻ることにした。
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この後、シロは着物の合わせに潜り込んでいたキャラメルを、一人執務室で味わうんだよきっと。
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