008
「お姉ちゃん、しろちゃんにお風呂入るように言ってきてちょうだい」
「なんで私?」
「あんたの言うことだったら聞きそうじゃない?」
夕食後、母の思わぬ言葉に驚いた。
母いわく、買い物から帰ってきたマイ弟の様子を見るからに、どうにも私に一番懐いているように見える、とのことだった。
私に言わせれば、あんた達の方が何ヶ月も前から顔を合わせてたんじゃないかと思うが、母いわく、だからこそ冬獅郎くんがこの短期間で多少なりとも私に心を許しているのが分かるらしい。
「本当ならあの子は、昨日今日知り合った人間に意志表示なんてしないわよ」
ふうん、と相槌を打って、私は自室へと足を向けた。
たしかに先程、ズボンのボタンの行方を聞いた時に冬獅郎くんが首を横に振ったのには私も瞠目したけれど、今日は怒鳴るわ殴るわのマイ弟の豹変ぶりに散々驚いた後だったし。
でも前々から彼のことを見ていた母がそう言うなら、そうなんだろう。
まぁ悪い気はしないと足取りも軽く自室に乗り込み、一緒に風呂入るかぁ〜なんて冗談をかましてみれば、マイ弟の無表情から引いた空気を読み取ることができた。
夜。
昨日よりはゆっくり風呂に入ったらしいマイ弟をひっ捕まえ、濡れたままの髪をタオルで拭きなおしてやりながら、彼の首筋に小さな傷痕を見つけた。
今日の喧嘩で出来たものかとよく見れば、それが既に完治したものだとすぐに分かった。
「ハイ、完成」
拭き終わった髪を手で梳いて整えてやる。
子供特有の柔らかい髪。
おそらく自前で間違いない、老人のそれとは違う見事な白髪と緑の瞳は、彼に外国の血が混ざっているということなのだろうか?
ぼんやりとそんなことを考えていると、こちらはどこから見ても日本人のそれである綺麗な顔が私を見上げた。
「ど、どした?」
聞いてから、自分が冬獅郎くんの頭に手をのせたままぼうってしていた事に気付いた。
慌てて謝って彼を布団に促し、自分の髪も拭いてエアコンを止める。
扇風機をセットしてタオルケットに潜り込み、冬獅郎くんを見た。
仰向けで寝る体勢に入っているのを確認。それでもまた外に出ていかないように、今日は彼が寝付くまで監視しようと決めて、
「おやすみ」
返って来ないであろう、就寝の挨拶を彼にした。
翌朝、おもいっきり爆睡していた私が、眠りにつく前と変わらず隣に安らかな寝顔のマイ弟がいるのを見て、少し嬉しかったのは別の話。
。.。.。.。.。.。.。.
シロちゃんがなぜに外で寝たのかや、不良に絡まれてたのかは追い追いシロちゃんsideから語ることにして。(多分ね!)ォイ
とりあえずこの連載は徒然日記を目指し、頑張りたいと思います。
………口だけにならないよう気をつけます( ̄▽ ̄〃)
あと、夢なのに名前変換なくてごめんなさい(;___)
シロちゃんが喋るようになったら、一杯呼んでくれると思います。( ̄ー ̄)キャラ任せ…
08.12.17
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