006
「……これは、迷子センター行きか?」
探しても探しても、あの目立つ白髪が見当たらない。
トイレかと思ったが、男子トイレの中には入れない。一番近いトイレの前を張ってみたが、結局いないようだった。
ショッピングモールの中を駆け回りながら、だんだん冷や汗が身体を濡らして行くのがわかる。
例え放送を入れてもらっても、あの子がちゃんと迷子センターまで来るかも謎だ。
あの不思議少年の考えていることが全く分からない。
今朝、外で寝ていたことも一体どうしてなのか理解できないままだ。
もしかしたら、母が先に帰ったのを知らないで、車の所にいるかもしれないと思い至ったのはその少し後だった。
全速力で上の階の駐車場まで駆け上がる。
たしか結構奥の方だったと走っていけば、声が聞こえてきたのはすぐだった。
言い争う男の声。
物騒な世の中だ。普段なら、それで関わらないように通り過ぎたかもしれない。
けれどその時は……
「このガキ、いい加減に……」
「冬獅郎くん!?」
あの白髪が見えて、思わず私は車の間に飛び出した。瞬間、私に向かって男が一人飛ばされてきた。
呆然としていると、若い男に腕を押さえられている冬獅郎くんがいた。
「………っ!」
その時の冬獅郎くんは、それまでほとんど無表情だった彼とは打って変わって、例えるなら牙を剥いた獣のように、凶暴な顔をしていて。
「離せ!!」
吠えるように、冬獅郎くんは声を上げた。
.。.。.。.。.。.。.。
あはは〜……
別に、本性あらわした!!てわけでもないんですけどね。
とりあえず、セリフ少なっ!!
次回に続きます…。
07.12.10
- 6 -
← | →
back