013



夏休みの生活もマンネリ化してきて。


それもそれで気楽でいいのだけど、夏休みになんの予定もいれていないと、どうにも時間を持て余しがちだ。





エアコンの空気を直接あびるのが嫌で移動した絨毯の上で、私は先日のセールで入手した激安写真集をながめていた。


ページごとにあらわれる猫に頬を緩めてしまいながら、かわいいなぁと思わずぼやいてしまう度に、隣の冬獅郎くんが私を見るのを視界の外で感じていた。



ちなみに冬獅郎くんの手の中にあるのは、英語だかドイツ語だかの大人向けの古い絵本?みたいなもの。


セールに行った時に彼が1番長く手に取って見ていた本だったから私が買ったのだが、はたしてこれは小学五年生が読むものなんだろうか……。




猫の写真集を一通り愛で終わった私は、さほど離れていない冬獅郎くんの傍まで転がっていき、横から開かれたページを覗き込んだ。


「………………」



相変わらず何語なのかすらさっぱりだ。

私が来たことによって、失礼にも少し体を固まらせた冬獅郎くんに、ページの挿絵を指差してみせた。



「綺麗な家だね」



銅版画とおぼしき白黒の挿絵は、繊細な線で描かれた、いかにも古いヨーロッパの田舎の家という雰囲気。

大木が傍に立ち、鳥が空を飛び、なんとも心地よさそうな風景だった。



「こんな家に住めたら、昼寝ばっかりしそう」



結構本気でそう呟いた、ら、



「――――、」



不審な動きで冬獅郎くんが私とは反対の方へと顔を向けた。

聞き逃しませんでしたよ私は。顔を動かした時に小さく鳴った喉の音を。



「冬ちゃん………笑ったな?」



言えば、いつもより少し大きく開いた瞳が見えた。



「ごまかそうったってそうは行くものか、ほーら冬獅郎ちゃんこっち向いてごらん?」



怪しい声を出しながら寝転がった体勢から上半身を起こせば、マイ弟が逃げの体勢に入ろうとしたのが分かった。



「甘いっ」



立ち上がる前に腕にからめとって絨毯の上に寝転がし、両手をわきわきさせた。



「さーぁ冬獅郎くん。覚悟はいいかな?」



おののいた顔の冬獅郎くんにニヤリと笑って、



「覚悟ーーーっ!」



思いっきり脇をくすぐってやった。



「〜〜〜っ、はははっ、や、めっ」



柔らかな少年らしい笑い声が響いた。


はじめて見た、半強制とはいえ満開の笑顔に思わず胸がキュンと来た。


なんだか嬉しくなって私も笑いながら、最後には笑い疲れて二人で絨毯に倒れ込んで、そのまま予期せぬ昼寝に突入した。
















目が覚めた時は時刻はもう夕方で、ほとんど同時に目覚めた私達は間近に顔を見合わせ、



「………こんな味気ないマンションでも昼寝はしたくなるもんだね」



言った私の言葉に、冬獅郎くんが小さく、本当に小さくだけど笑んでくれたのは、寝ぼけた頭のせいではないと信じたい。

















。.。.。.。.。.。.。.


あらぁん?

なんか予期せず進展。笑ってますよシロちゃんが!

びっくりびっくり。誰がって、一番管理人が驚いてます。
くすぐりネタはいつかはやるつもりだったけど、まさかこんな馴染んでない時にやるとは思いませんでした。


ていうか自分で書いてて微笑シロに萌えっとしてました(ノ∀<*)


純なシロちゃんに綺麗な微笑みなんざ浮かべられた日には、管理人爆死できますよ。


あぁ、本気でうちに養子に来ないかしら………(´ω`)危




ところで猫の写真集は本当に古本激安セールに行き会った管理人が実際に購入した代物です。小説の資料にでもと思ったんですが、存外にニャンこの写真可愛かった…




07.12.24

今日はクリスマスケーキ作った後のうpです


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